唾液について

唾液は唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下線)から口の中に分泌される分泌液になります。唾液腺とは唾液を口の中で出す入口です。

唾液には様々な役割あります

  • 消化を助ける。
  • 口の清潔を保つ。
  • 味を感じやすくする。
  • 食べ物を飲み込みやすくする。
  • 口の健康を保つ。
  • 全身の健康を保つ。

加齢や内服薬により唾液の分泌量が減少したりすることがあります。

口の中が乾燥するとさまざまな症状を引き起こします

  • 食べ物が食べにくくなる。
  • むし歯や歯周病になる。
  • 舌のひび割れによる痛みがでる。
  • 口臭が酷くなる。
  • 味覚障害がおこる。

唾液の分泌を減少させないために出来る事

  • よく噛んで食べる
  • 日々をリラックスして過ごす(唾液の分泌は自律神経により調整されています。寝る時間がバラバラで自律神経のバランスが崩れると唾液の分泌に影響します。規則正しいリズムで生活する事が大切です。)
  • 唾液腺マッサージ
    • 耳下腺…親指以外の4指を頬(舌の絵の部分)にあて、円を描くように前に向かって優しくマッサージします。5~10回を目安に行ってください。

顎下腺

唾液の65%ほどがこの顎下腺から分泌されます。顎骨の内側にある柔らかい部分に親指以外の4指をあて、顎から耳下まで、指の腹で優しく押していきます。5~10回を目安に行ってください。

舌下線

ネバネバ唾液が多く分泌されるのが舌下線です。顎先の手前にある舌の付け根を押します。両親指の腹を使って顎舌の柔らかい部分をグッと持ち上げます。この時舌を持ち上げるように押してみましょう。これも5~10回を目安に行ってください。

画像引用:リハツバメ

食事の姿勢

普段、私たちは姿勢のことなど気にせず食事を摂っていると思います。

もし、嚥下障害のある方であれば、その食事の姿勢一つで誤嚥に繋がる可能性があります。食事中の誤嚥を防ぐためにも安定した姿勢を知る必要があるかと思います。

椅子に座って食事をする場合

  • 足の裏を床につける
  • お尻から膝の裏までイスの座面につき、深く腰かける
  • 上半身がまっすぐになるように整える

気を付けるポイント

  • 飲み込むときに頭部が後ろにのけぞった姿勢になると誤嚥リスクが高まるといわれます。しっかりと座り顎を引いた姿勢が望ましいです。
  • 車椅子で食事摂る場合も同様です。円背等により姿勢の調整が必要な方は理学療法士や作業療法士と共に姿勢を整える方法を一緒に検討すると安定した姿勢に調整できます。

ベッド上で食事をする場合

  • 座位が可能な場合はベッド上に座って食事を摂りましょう。
  • 嚥下障害によりベッドの角度調整が必要な場合は約30度から70でベッドの角度を調整します。この場合でも頭に枕やクッションを入れ、頭部は顎を引いた姿勢になるようにします。
  • ベッドの角度は嚥下の状態に合わせて調整していきます。また、身体が傾かないようにクッション等で姿勢を保持します。

飲み込みの方法④

今回の運動は回旋嚥下についてです。回旋嚥下は「飲み込みの代償方法」の一つです。左右どちらかを向いてから飲み込むことで、喉の片方側に食べ物が通りやすくなります。

私たちSTはこんな方々に指導しています。

  • 脳梗塞などの影響で、喉の片側に麻痺がある。
  • 咽頭がんなどの摘出で、形状に左右差がある。
  • 何らかの原因で飲みこみに左右差がある。

左に回旋し飲み込むと食べ物は喉の右側を通ります。右に回旋し飲み込むと食べ物は喉の左側を通ります。向いた方向の喉が狭くなるので反対側を食べ物が通りやすくなります。そのため、麻痺側や上手く飲めない方に回旋し飲み込むという方法です。

画像引用:リハツバメ(https://zaitaku-st.com/)

参考にしてみてください。

飲み込みの運動③

今回の運動はブローイング(吹く)です。空気を吹く動作により鼻咽腔が閉鎖されることを利用し、鼻咽腔閉鎖の機能を改善させる為に行います。鼻咽腔閉鎖不全により水分・食物が鼻咽腔へ逆流する場合や呼吸機能の低下がある場合に行います。

コップやペットボトルに水を入れ、ストローでぶくぶくと泡が立つように吹きます。上手く泡が立たない場合は鼻をふさぎながら行います。ストローや水の粘度を変え難易度を調整していきます。

注意:あまりに過度に行うと過呼吸になるおそれがあります。

今後も引き続き飲み込みの運動について上げていきたいと思います。

飲み込みの運動②

今回の運動は、押し運動です。ブッシング(押す)訓練です。

やり方は簡単です。壁に両手をついて「アー」または「エイ」と力を入れながら強く声を出していきます。これは、上顎奥の筋力強化(鼻への逆流防止)や声帯の閉鎖の強化(気管への誤嚥防止)に繋がります。

座ったままでもこの運動はできます。座った状態で椅子の座面を押しながら「アー」「エイ!」と力強く声を出してください。

5回から10回を1セットとし、状況に合わせながら回数を調整していきます。

また運動方法を掲載していきますので、参考にしてみてください。

飲み込みの運動①

飲み込みのチェックや検査で、喉の力が弱ってきていませんでしたか?飲み込みの力を落とさない為に、また、力をつけていくために、喉の運動が必要になってきます。これを嚥下体操といいます

力が必要なのは足腰だけではありません。喉の運動も行っていきましょう♪

画像引用:リハツバメ

続々と運動方法を掲載していきますので、参考にしてみてください。

飲み込みの状態を確認してみましょう

これまで、「嚥下について」「誤嚥について」等々あげてきました。これからは、嚥下障害の予防の為に出来る事をあげていきたいと思います。まず、飲み込みの状態を確認していきます。今回はスクリーニング検査の一部をご紹介します。
※スクリーニング検査:無症状の人を対象に、疾患の疑いのある者を発見することを目的に行う検査。

口の動きの確認

  • 口を「うー」と尖らせたり、「いー」と横に引くことは出来ますか?
  • 舌をまっすぐ前に出す。舌の方に唇の端より出す。上の方に唇の端より挙げる。左右の口角よりさらに横に動かす事が出来ますか?
  • 頬に空気を入れたときに口から息が漏れていませんか?また、空気を頬に入れたまま、口をすすぐ時のように動かす事が出来ますか?

反復唾液嚥下テスト

口の中を湿らせてから、30秒間の間に唾液を何度も飲み込みます。この時、のど仏が上がり、唾液が通ったことを触診しながら確認します。

  • 30秒間に3回以上できれば正常です。
  • 2回以下の場合は嚥下障害の可能性があります。

改定水飲みテスト

3mlの冷水を用います。冷水を口腔内に入れ嚥下動作を2回行います。むせ込みの有無や嚥下動作に対する呼吸の状態の変化を確認します。

他の検査方法もありますが、「口の動きの確認」と「反復唾液嚥下テスト」は鏡を見ながら、時計の秒針で確認しながら出来ると思います。確認しながら飲み込みの確認をしていきましょう。

誤嚥(ごえん)とは?

最近メディアでも取り上げられている「誤嚥」ですが、誤嚥とはどのような事をいうのでしょうか?

先日、飲み込みで“ごっくん”とすることを嚥下とありましたが、この“ごっくん”が上手く出来ずに、食道ではなく気道に入ってむせてしまうことを『誤嚥』といいます。

健康な人でも、寝ている間や食事中に誤嚥が偶然おこることもありますが、気道内に入ってしまった物を排除しようというせきやむせ込みなどで防御反応をし、誤嚥物は吐き出されます。

ですが、飲み込みの力が低下している方の場合、この誤嚥物を吐き出す働きが弱まります。誤嚥物が上手く吐き出せず肺の中で細菌が増えてしまい、肺炎を起こすことがあります。これを誤嚥性肺炎といいます。

誤嚥についてあげましたが、食事中のむせ込みが増えてきていると感じていませんか?むせこみが増えたり、以前上げたチェックに当てはまる方がいらっしゃれば飲み込みに注意が必要となります。

飲み込みの力が落ちる原因は?

前回からの続きで飲み込みについて取り上げます。飲み込みの力が低下することを嚥下障害と言いますが、その原因はは次の4つがありますので、それぞれについて説明します

器質的原因

口腔・咽頭や食道の機関における炎症や腫瘍、外傷によるものを指し、舌炎、扁桃炎、咽頭炎、口頭炎、食道炎、口腔・咽頭腫瘍、食道腫瘍、食道裂肛ヘルニア、各部の術後異常、頚椎症等の外傷などがあります。

機能的原因

嚥下にかかわる期間を動かすための筋肉の低下があり、脳血管障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ギランバレー症候群等の神経変性疾患。多発性硬化症、脳炎、脳腫瘍、脳性まひ、筋ジストロフィー、重症筋無力症、多発性筋炎、脳神経系の障害。加齢による機能低下などがあります。

心理的原因

うつ病、ストレスなどによる精神的・心因的疾患によるもの。

医原性

医療行為が原因で新たに生じる疾患をいいます。高齢者は複数の疾患を抱えている場合が多いので、薬剤の服用の影響も嚥下障害に大きく関係します。また、手術による嚥下関連器官の筋力や神経のダメージや術後の長期の経管栄養挿管などがあります。

飲み込みの力が落ちてくると・・・

前回から引き続き、飲み込みについて上げたいと思います。最近、食べる事が難しいと感じている方はいらっしゃいませんか?

  • 食事中にむせることがある
  • 唾液が口の中にたまる。よだれが出る
  • 飲み込むのに苦労する事がある
  • かたいものが噛みにくくなった
  • 下に白い苔のようなものがついている
  • 声が変わった(痰がからんだようなガラガラ声など)
  • よく咳をする
  • 食事を残すことが多い(食べる量が減った)
  • 体重が減った(1ヶ月で5%以上、半年で10%以上)

このような症状があれば、食事をすること、飲み込む力が弱くなっている恐れがあります。更に飲み込む力を落とさないために、そして、飲み込む力をつけていくために、飲み込みの運動が必要です。ぜひ、リストを確認してみてください。