前回からの続きで飲み込みについて取り上げます。飲み込みの力が低下することを嚥下障害と言いますが、その原因はは次の4つがありますので、それぞれについて説明します
器質的原因
口腔・咽頭や食道の機関における炎症や腫瘍、外傷によるものを指し、舌炎、扁桃炎、咽頭炎、口頭炎、食道炎、口腔・咽頭腫瘍、食道腫瘍、食道裂肛ヘルニア、各部の術後異常、頚椎症等の外傷などがあります。
機能的原因
嚥下にかかわる期間を動かすための筋肉の低下があり、脳血管障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ギランバレー症候群等の神経変性疾患。多発性硬化症、脳炎、脳腫瘍、脳性まひ、筋ジストロフィー、重症筋無力症、多発性筋炎、脳神経系の障害。加齢による機能低下などがあります。
心理的原因
うつ病、ストレスなどによる精神的・心因的疾患によるもの。
医原性
医療行為が原因で新たに生じる疾患をいいます。高齢者は複数の疾患を抱えている場合が多いので、薬剤の服用の影響も嚥下障害に大きく関係します。また、手術による嚥下関連器官の筋力や神経のダメージや術後の長期の経管栄養挿管などがあります。