脳トレ-学習療法-(さくら苑新館)

さくら苑新館の水流です。
今回は認知症ケアプログラムとして行っている計算と音読を用いた認知トレーニング(学習療法)について紹介したいと思います。
 
「簡単な計算」や「音読」を行っている時、脳の中の前頭葉という部分が活動すると言われております。とある研究の中では、この学習療法を継続して行う事で認知機能検査の得点が向上したという報告もあります。

この学習療法のポイントは時間をかけて難しい計算や音読をするのではなく、簡単な問題を素早く解く方が脳が活性化すると言われています。例えば「2+5」「8-2」等の計算を早く解いたり、簡単な文章を出来るだけ早く読むといった事です。

 また、実施する上で、ただただ黙々と行わせるのではなく、実施後の労いや褒める声かけを行い、コミュニケーションを取りながら実施するとより脳の活性化に繋がります。
 当事業所では、個々の空いた時間で簡単な計算を促したり、レクリエーションの時間に利用者の皆さんと一緒に音読をする時間を設けたりして学習療法に取り組んでいます。

写真は簡単な計算を実施している様子です

脳トレ-デュアルタスク運動-(さくら苑新館)

デュアルタスク運動とは

午前中の集団体操の時にデュアルタスク運動の実践を行っております。
デュアルタスク運動とは2つの動作を同時に行います。例えば、足踏みをしながらの腕の運動や左右の手で違う動きをするなど様々なバリエーションで実施しています。

始めた当初は利用者より「難しい」との声が聞かれていましたが、「間違っても大丈夫です。動かす事が大事なんですよ」と声掛けする事で、継続する事が出来ています。今となっては、成功や失敗に一喜一憂しながら活動中に笑顔が見られるようになっています。

認知症の方に対するケアや予防運動に関しては、様々な研究結果はありますが、現時点においてもこれをすれば大丈夫!といった明確な指針はなく手探りな部分はあります。

しかしながら、認知症の方が安心してデイサービスを利用できたり、自宅生活が不安なく過ごせるようにこれからも色々と勉強していきながら、実践し、効果のあるものは活動として取り入れていきたいと思います。

写真は、足踏みをしながらの腕を前に出したり引いたりの動作と足踏みをしながらグー、チョキ、パーをしている動作です

リハビリ効果

身体面

  • 座位または立位で行う事でバランス能力や体幹の筋力強化に繋がります                            
  • デュアルタスク運動では、手足の動きが入っているので、自然と腕や足の機能訓練、筋力訓練に繋がっています。

認知面

  • 2つの動作を同時に行う事は運動機能と思考機能を司る脳の中にある前頭葉を刺激し、脳血流を増加させる働きがあると言われています。認知症の方にとって脳血流を良くすることは脳の活動の活性化に繋がります。また、認知症予防や軽度認知障害の方の改善に効果があると言われています。

脳トレ-回想法-(さくら苑新館)

さくら苑新館の水流です。
さくら苑新館デイサービスでは、認知症の方に効果があると言われている回想法を取り入れたアクティビティを実施しております。

回想法とは?

「自分の過去の事を話す事で精神を安定させ、認知症の症状の緩和や進行の抑制にも期待できる心理療法」

回想法を実施する上では、過去を思い出すだけでなく、思い出した事を聞き手に「語る」ことが脳に大きな刺激を与えることになります。

さくら苑新館では、この要素をすごろくゲームに取り入れ、レクリエーションとして実施しています。利用者にさいころを振ってもらい、出た出目のマスに進んだ後、マスのテーマに沿った話をしてもらいます。すごろくのマスの中には、子供の頃の遊びやあだ名、よく歌っていた歌、若い時にやっていた仕事などの項目を入れています。

認知症の方は、最近の出来事を忘れやすかったとしても、自分の若い頃や幼い頃の記憶はしっかりと残っている事が多いとされています。

実際このレクリエーションを行い、利用者の方が過去の事を話す時はとても良い表情で話をされる事が多いです。周りの方に関しても、昔の話を聞きながら、共感される方がいらっしゃったり、一部の話題から盛り上がる事も見受けられます。

認知症の方は、常日頃から色々な不安感と戦いながら生きています。私たちは、介護士として認知症の方に寄り添い、不安感を取り除き、安心して過ごせるように日々工夫しながら業務に励んでいます。

帰宅願望がある利用者への対応(さくら苑新館)

さくら苑新館の水流です。
さくら苑新館デイサービスは中重度者を中心に受け入れている事業所で認知症の方への対応にも力を入れています。
今回は、認知症の方の症状としてよく現れる「帰宅願望」について、事業所としてどう取り組んでいるのか、ご紹介したいと思います。
事業所としては、帰宅願望がある利用者には主に2つの取り組みを行っております。
①帰宅願望を未然に防ぐ取り組み
②帰宅願望が出た際の取り組み

①に関しては、簡単に言えば時間を忘れさせる取り組みです。いつの間にか帰る時間が来てしまったと思えるくらい楽しく過ごせるように夕方の時間は集中してレクリエーションや作業活動等を促せるように工夫しています。
②に関しては、本人の不安感を取り除くことが一番大事ですので。原因をしっかりと探り、本人の話を傾聴出来る様にマンツーマンで対応しています。

①、②に関しても、恐らく何処の事業所でも行っている当たり前の対応かもしれません。しかしながら、さくら苑新館デイサービスでは、この当たり前の事の質を高める為、なじみの関係の構築、対象者の過去(人生・生き方)を知るというところに力をいれています。

これは認知症の方の対応をする上ですごく重要です。なじみの関係を構築する事で、本人にとってはここには頼れる人がいると安心感に繋がります。対象者の過去の情報収集を行う事で、色々な周辺症状が起こったとしても傾聴時にその話題に同調して対応する事が出来、不安感の解消にも繋がります。

現在、利用されている方も利用当初は帰宅願望等みられている方もいらっしゃいましたが、取り組みによって、現在は落ち着いて過ごされている方がほとんどです。
今後もなじみの関係の構築や、利用者1人1人のこれまでの人生の情報収集を行っていき利用者にとって自宅と同じくらい居心地の良い事業所を目指して頑張っていきたいと思います。

写真は夕方の帰宅願望を未然に防ぐレクリエーションの様子です

認知症高齢者への取り組み(さくら苑新館)

さくら苑新館の水流です。
さくら苑新館デイサービスでは認知症加算を算定しています。

認知症加算プログラムでは「指の体操、書写、間違い探し、歌、塗り絵、同時に2つ以上の動作を行うデュアルタスク運動」を行っています。

また、個別の関わりとして本人や家族から昔好きだった事や趣味についての情報を収集し活動として行っています。そういった活動に取り組む事で本人にとっての楽しみや役割となり、デイサービスにて安心して過ごせる様努めています。

このような活動を自宅での生活にも反映できるよう、また少しでも家族の介護負担の軽減に繋がるよう対応しています。

写真はデュアルタスク運動と書写を行っている様子です。
デュアルタスク運動は同時に違う動きをするので、最初は難しいですが、慣れればテンポよく体を動かせるようになります。