脳トレ-塗り絵の効果-(さくら苑新館)

さくら苑新館デイサービスの水流です。
昨年の10月から実施している認知機能の低下を防止する為の脳活ドリルですが、実施を始めてから4月で半年が経過します。

今回は開始当初と現在を比較して塗り絵に変化が見られた1人の利用者の経過について紹介したいと思います。

開始当初の塗り絵(2020年10月27日)

開始してから約1か月後の塗り絵(2020年12月1日)

最近(2021年2月~3月)の塗り絵

見てわかる様に開始当初から比べると配色や陰影のつけ方、枠をはみ出さずに書くなど上達しているのが分かります。

塗り絵自体の上達も目に見えて分かりますが、本人の意欲も変わりました。現在は細かい塗り絵等にも挑戦し、塗り絵用の色鉛筆をご自身で購入し自宅でも実施するなど、利用時間以外でも取り組まれるようになりました。

塗り絵自体は認知機能における視空間認知機能(目で見た情報を処理して空間の状態を把握する機能)の改善に繋がると言われています。今後は、そういったところにも注視していきながら今後も脳活ドリルの経過を追っていきたいとと思います。

さくら苑新館で実施している脳活ドリルの詳しい情報は、脳活ドリルについてをご参照下さい。

脳トレ-塗り絵の展示-(さくら苑新館)

さくら苑新館の水流です。
さくら苑新館デイサービスでは、認知症ケアとして実施している脳活ドリルの「塗り絵」を廊下の展示コーナーに貼り出しています。
利用者が廊下を通る時は自然と展示コーナーに目が行き「上手やね」「綺麗に塗っているね」等の声が聞かれています。
開始当初から塗り絵が上手な方や苦手な方、まったく色を塗らない方もいましたが、少しずつ変化が見られ、重ね塗りや色の強弱をつけたり、苦手な方も他利用者と一緒に参加する事で簡単な塗り絵をされるようになりました。

塗り絵は毎週1枚を利用中に完成させる計画で実施しておりますが、利用者の中には自宅に持ち帰って完成させてくる方や、宿題として別の塗り絵が欲しいと言われ意欲的に取り組まれる方も出てくるようになりました。

※塗り絵の効果については以下をご参照ください。
脳トレ~塗り絵~(さくら苑新館)

MMSE評価の結果(さくら苑新館)

さくら苑新館デイサービスの水流です。
先日脳活ドリルを実施して3ヶ月が経過し、MMSE(ミニメンタルステート検査)という認知機能の評価を事前・事後(3カ月後)に行っていることを紹介しましたが、今回はMMSEの結果について紹介したいと思います。


対象人数―19名
改善11名(58%)  維持3名(16%)  悪化5名(26%)

という結果となりました。


約70%の人がMMSEの点数が3か月前と比較し、維持もしくは改善する結果となり、脳トレの効果が見える結果でした。しかしながら、実施期間としてはまだ約3ヶ月間なので今後も継続して脳活ドリルを実施し半年、一年と経過を見て評価して行きたいと思います。

また、MMSEの点数だけに着目するのではなく、改善・悪化も含めMMSEの評価項目毎(見当識能力や計算や注意力など)の変化や脳活ドリルの実施状況の変化なども評価し、脳活ドリルの認知機能への効果を検証していきます。

※脳活ドリル及びMMSE(認知機能評価)については以下をご参照ください。

脳活ドリルについて

MMSE(認知機能評価)について

MMSE(認知機能評価)の実施(さくら苑新館)

さくら苑新館の水流です。
さくら苑新館デイサービスでは認知症ケアの一環として脳活ドリル~つるツール~(脳トレをまとめたドリル)を11月より実施しており、早いもので3カ月が経ちました。

私たちの事業所では、認知症ケアの一部で脳活ドリルを実施している為、ただやみくもに脳トレをさせるわけではなく、MMSE(ミニメンタルステート検査)という認知機能の評価を事前・事後(3カ月毎)で行い、脳トレが本人達にとってどのような効果があったのか評価・検証しております。今月がその再評価の月になっております。

MMSE(ミニメンタルステート検査)とは、時間の見当識、場所の見当識、即時想起、注意と計算能力、短期記憶、言語的能力、図形的能力といった認知機能を評価する事が出来ます。

この3カ月間、計算、間違い探し、塗り絵を冊子にした脳活ドリルを実施してきましたが、利用者の皆さまにもドリルが定着しつつあり、当初とは比べ物にはならないぐらい集中され取り組まれています。
皆さんが取り組まれている様子はまるで塾で頑張っている学生のような雰囲気です。

MMSEの評価結果をまとめ、この3カ月間の成果をまたブログにて更新したいと思います。

※脳活ドリル ~つるツール~については以下をご参照ください。

脳活ドリル~つるツール~の実施(さくら苑新館)

写真はMMSEの評価時の様子と脳活ドリル実施時の様子です。

脳トレ-回想法での関わり-(さくら苑新館)

さくら苑新の水流です。
さくら苑新館デイサービスでは認知症ケアとして回想法を利用した個別の関わりやレクリエーションを実施しています。

回想法での関わりは、本人についての情報(昔の趣味や好きだった事、仕事等)を事前に集めておく必要があります。情報収集した内容を活用し本人との話題にしてそれを思い出し会話に繋げるからです。

今回は、回想法を用いた個別での関わりで、日中、傾眠がちであった利用者の発語や表情変化、反応等を引き出せた事例を紹介したいと思います。
本人との関わり(情報収集)の中で子供の頃に好きだった漫画本の事が話題に上がりました。

話題となった漫画のタイトルは「のらくろ」「日の丸旗の助」「冒険ダン吉」です。今年44歳になる私が聞いた事があるはずもなく、インターネットで検索したところ約80年前の漫画でした。

すかさず、印刷して本人に見て頂きました。普段は寡黙で傾眠がある方なのですが、懐かしそうな表情で手に取り、「これじゃ、これじゃ」「ようこげなっがあったな」等と言葉も多く喜ばれ、漫画本についての内容を笑顔で熱心に話してくださいました。
1人1人、小さい時の思い出や育った環境、働いていた環境など、人の歴史は違います。その為、関わり方も十人十色です。今後もこのような関りが出来るよう日頃の会話(情報収集)を大事にしていきたいと思います。

脳トレ-つるツール-(さくら苑新館)

皆さん、こんにちは。介護士の水流です。

さくら苑新館デイサービスでは、認知機能低下を防ぐためのドリル「脳活ドリル~つるツール~」を作成し、利用者に実施して頂いています。

つるツールは、わたくし水流が作ったツールという単純なネーミングです。

ドリルの中身は、脳の活性化に繋がると言われている「簡単な計算」、「間違い探し」、「塗り絵」です。また、ドリル以外でも認知機能低下防止の為の集団活動として「音読」や「デュアルタスク運動」を実施しています。

各項目の効果について以下をご参照下さい。

  1. 計算の効果について
  2. 間違い探しの効果について
  3. 塗り絵の効果について
  4. 音読の効果について
  5. デュアルタスク運動の効果について

ドリル開始前に実施した評価で、ドリルの中身は個人、個人違った内容になっています。例えば間違い探しは初級編、計算は中級編、塗り絵は初級編といったように評価した結果でその人に合ったドリルになっています。

集中してドリルを実施する方や集中力が続かず手を止める方、実施時の細かい声掛けが必要な方等様々ですが、「今日も色々あって楽しかった」と利用者から聞かれるので、今後も実行、評価をしていき少しでも認知機能の低下防止に繋がるよう取り組んでいきます。

写真はドリルの表紙と実施時の様子です

脳トレ-音読-(さくら苑新館)

さくら苑新館の水流です。
今回は認知症ケアプログラム(脳トレ)として行っている音読について紹介したいと思います。

音読をしている時は前頭前野を中心に脳全体が活性化していると言われています。前頭前野は人の心を司る機能と脳の他の領域が上手く働くように命令を出す「脳の司令塔」の機能を持っています。前頭前野が活性化する事により感情や記憶のコントロールがスムーズに行えるようになる事が期待されます。
また、音読は喉の筋肉を鍛える事が出来、誤嚥性肺炎の予防にも効果があります。

音読は童謡や唱歌等を3つの難易度に分けており本人に合ったものを選択し、出来るだけ大きな声で読むよう声掛けしています。終了時には褒める声掛けを行い、達成感や喜びに繋がるよう対応しています。

脳トレ-間違いさがし-(さくら苑新館)

さくら苑新館の水流です。
今回は認知症ケアプログラム(脳トレ)として行っている「間違いさがし」について紹介したいと思います。

間違い探しはワーキングメモリ(作業記憶)を鍛える効果があり、物忘れ防止などに繋がると言われています。

ワーキングメモリとは情報を一時的に脳に保持し、処理する能力です。
例えば、電話をかける時、一時的に電話番号を記憶します。
そしてかけ終わった後には、すぐ忘れていますよね?
この時使っているのがワーキングメモリで、超短期的な記憶の事を指します。
ワーキングメモリは、日常生活の中での会話や読み書き、計算といった仕事・学習を支える重要な能力です。

間違いさがしは、見つけた時の喜びも脳への刺激に繋がると言われています。さくら苑新館デイサービスでは、様々な種類、難易度の間違いさがしを準備しており、本人のレベルに合ったものを選択し、実施しています。

脳トレ-塗り絵-(さくら苑新館)

さくら苑新館の水流です。
今回は認知症ケアプログラムとして行っている塗り絵について紹介したいと思います。

さくら苑新館デイサービスでは、認知ケ症ケアの一環として様々な脳トレを実施していますが、その中で利用者の受け入れも良く、比較的実践しやすいのが塗り絵です。

塗り絵は使う色を考え、色を選び、色鉛筆を持って指を動かし色を塗るという動作が塗り絵が完成するまで続き、この一連の動作が脳の活性化に繋がると言われています。
塗り絵は認知症のレベルに応じて難易度別に2種類用意しています。

  1. 花の塗り絵です。花の塗り絵は塗る色の種類が少なく身近な花であればイメージもしやすい認知面が重度の方から軽度の方まで幅広く実施出来ます。
  2. 景色や人物等が含まれた塗り絵です。こちらはいくつもの色を使って使い分けて塗る必要があり、色の使い分けが行える方を中心に実施しています。

このように本人に合った塗り絵を選択する事は、楽しみや意欲の面に関わってくるのでしっかり本人と関わり、選択する必要があります。現状は難易度別に2パターンとなっていますが、今後はバリエーションをもっと増やし利用者1人1人のレベルに合った脳トレとして塗り絵が実施出来るよう計画中です。

認知症についての勉強会(さくら苑新館)

さくら苑新館の水流です
先日、認知症の方への対応やケアの向上の為に、デイサービス職員と一緒に認知症についての勉強会を行いました。
今回の勉強会は、基礎編で認知症という病気についてのおさらいを以下の内容で実施しました。

  1. 加齢による物忘れと認知症による物忘れの違いについて
  2. 中核症状(記憶障害・見当識障害・失行・失認)について
  3. 周辺症状(徘徊・妄想・収集癖)について

これらの症状があることによって認知症の人の心は不安な気持ちや混乱、焦りといった感情に繋がってしまいます。
認知症の方と関わる中で本人の気持ちを考えるという事は一番大事な事で、不安な気持ちがあるという事をしっかり理解し、表情の変化や通常と違う行動をされた時に素早く声をかけ、話を聞く事で不安な時間を一人で抱え込む事が少なくなります。認知症ケアはチームで協力しあって実践していく必要があるので今後もこういった勉強会を定期的に実施していきます。